オオスミの歴史(3)ポリシーとしての手づくりの精神
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オオスミの歴史
およそ、創業のころの実話は、その後の会社づくりの精神的な骨格になることが多い。オオスミの場合もそうで、原点となる「車庫倉庫」を自分一人の手で作ったことに象徴されるように、なるべく人の手を借りず、自分でできることは自分ですることが大事であるとされる。そして専門的なことは、「餅は餅屋」で他に依頼する。
ささやかなことでも、自分で初めから終わりまで手がけることで、物づくりの感覚を身につけることができ、そのことが他に依頼してもよい結果が得られる秘訣となる。創業者はそういうことを、しっかりと社内の人々に伝え、蓄積しようとした。
ただ、この「自作の精神」は、なかなか理解してもらえなかったことの一つである。人はついつい頭でっかちになり、理屈が先行して、自分の身体で仕事をして打開することを疎かにしがちだ。創業者は、その点が理解されにくいことで、残念な思いをしていることが多い。
他人任せではいけない、ということである。まずは自分が率先してやり遂げて、その上で他人に任せるのである。ところが、人間、常に楽をしたい気持ちがあるから、ついつい、自分が未達成のことを他人に任せてしまう。そして失敗すれば他人のせいにしがちだ。高度経済成長のころは、それでもやっていけたが、今日ではそんな甘いことではいけない。
本文一部引用については次の著作を利用致します。
『オオスミの歩み 環境の歴史とともに』(35周年を記念して 株式会社オオスミ社史):著者:小田部真季さん 制作:塩田 旭朗さん
文章の再構成の観点で、文言は一部現在の時代に変更している部分があります。(大角 武志校正)
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